臨床工学部門では毎年、新人看護師を対象としたME機器の講習会や、院内から依頼された講習会を適時行っており、安全への貢献に努めています。また、年間数十名の実習学生を受け入れており、学生の教育にも力を注いでいます。
その他に、臨床工学部門内での、研究カンファレンスや臨床工学技士を対象としたメーカーによる勉強会等を定期的に開催し、新しい知識の習得、研究活動にも取り組んでいます。
人材育成
【教育方針】
臨床工学技士はチーム医療の一員として、様々な職種と一丸となり一人の患者さんを連携し治療をしたり、多種多様な医療機器に精通しながらも基本的な内容からトラブル対応までをフォローする専門職であります。
専門職である臨床工学技士は常に専門性を高める事が必須であり、基礎学問に支えられた専門技術を構築し、生涯を通して学術・技術に励む事により質の高い医療として還元されることを目標としています。
そして広島大学病院臨床工学部門はプライドを持って匠の技術を習得し育成しながらも、医療人として人格の優れた人材を養うことを目指しています。
【新人教育プログラム】
入職後、循環器業務、医療機器管理業務、呼吸代謝業務のいずれかを職場内教育(On the Job Training :OJT)や講習会、勉強会教育(Off the Job Training :Off-JT)、目標管理(Management by objectives:MBO)自己学習(Staff Development:SD)します。
各業務は1年毎にローテーションします。(図1)
- 新規入職者は、新人研修会を受けて大学のシステムや医療人としての心得、臨床工学部門の理念などを学びます。
- その後指導者とともに各業務の初級コース(level 1)評価表(表1)に沿った年間教育計画を決定し目標を管理します(MBO)
1.循環器業務 人工心肺level 1評価表・虚血心臓カテーテルlevel 1評価表・不整脈治療level 1評価表 2.医療機器管理業務 ME機器管理関連level 1評価表・ペースメーカ関連level 1評価表
誘発電位測定level 1評価表3.呼吸代謝業務 血液浄化関連level 1評価表 集中治療関連level 1評価表 ※業務別評価表については本人、指導者、業務リーダ(管理者)が評価を行います。
評価は4段階評価とし、3.5点以上を目標到達レベルとします。
- 実際業務を行いながら学びます(OJT)。
- 実際の臨床業務の中で、評価表を確認しながら不足している知識や技術を見い出し、指導者による講習・勉強会を行います(Off-JT)。また院外の講習会や学会等に参加することにより個人でも学習し、知識や技術を向上させます(SD)。
- SD及びOff-JTで得た知識をOJTで生かし、更なる質の高い医療を目指します。
- 新人職員と年間教育計画と評価表を照らし合わせ、不足している技術や知識を再度学びながらステップアップを目指します。(図2)